木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか [本]
読了。
二段組700ページのボリュームでした。
僕はあまり格闘技は知りません。
知っているのはたまに雑誌やテレビで目にする名前の人たちぐらいです。
ひょんなことからこの本の存在を知り、興味をもったのですぐに購入。
読んでみました。
「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」
お恥ずかしいですが、この木村政彦という柔道家、格闘家は知りませんでした。
当たり前ですが、力道山は知っています。
この本、実物自体ちょっとした辞書ほどの大きさで700ページありますが、一挙に読んでしまいました。
昭和29年12月22日プロレスで行われた木村政彦対力道山の試合を軸に木村政彦という人物の人生を浮き彫りにしていきます。
あらすじその他はこちらを参考にして頂くとして、僕なりの読後感をお話したいと思います。
それは読んでいる最中から思いながら進んで言ったのですが最後の一ページ、裏表紙をパタンと閉じた時も同じでした。
「凄い!」
史実をたどっていくなかで虚実いろいろありそれをふるいにかけて著者は咀嚼していくのですが、僕はあまり細かい事は気にしません。
登場人物すべての人を含めての大河が凄いと思いました。
柔道という日本の「武道」を通じ戦争を経てくる人たち・・・
歴史上たくさんそのような事があったのでしょうが、一番近い時代のその凄さを。
明治、大正、昭和。
ほんの一部ですが、その当時の動画などをネットで見たりすることが出来るこの時代はことさらそれが想像しやすいです。
ちょっと話はそれますがよくお客さんに
「築地ってどこ行ったらおいしい?」
なんて聞かれますが、
「どうなんでしょうね・・・」
という話になります。
今ではかなり観光地化して、そのようなお客さん用のお店も多いですが、今でも昔名残のメニューもあります。
「スタミナ満点!」などという張り紙も見たりします。
いまどき「スタミナ満点!」とは・・・
ファミリーレストランのメニューにはカロリー表示してある時代に・・・
でもそれこそが厳しい仕事環境で、朝早く寒風に吹かれつめたい水の中で働く市場の人々の身も心も温める楽しみとなっていたのだと思います。
幼いころ僕のおばあちゃんが市場から帰ってきて店で一休みしている時懐からカイロを出し、その中から燃え尽きた芯を出していたのを憶えています。
小さな金属で出来たカイロでした。
それで昔のテレビや映画で見るように籠を下げ電車とバスを乗り継いで行ったのでした。
今の僕らの仕入れの状況からするとたいへんな環境だったと思います。
根性違うと思います。
そう思うと明治から大正にかけて熊本に生まれた男たちが真剣勝負として柔道に励みその高みにつくというだけでもその努力は現代に生きる僕らの想像を絶するものだったのでしょう。
あまり僕が言うと安っぽくなるのでこの辺にしますが、いい本でありました。
熊本、「くまもん」人気ですが、やはり武道の郷ですね。
コメント 0