喫茶ぶんぶん そして 滝沢賢治 中編 [回想録]
「俺だよ!滝沢賢治だよ」
「・・・!山下さん!?」
思いもよらなかったですが、まさしく山下真司さんの声でした。
「あ、どうも、どうも・・・」
夏休み子供たちでごった返すロビーを抜け入り口の方へ。
「どうしたんですか?」
きっと鳩が豆鉄砲くらった顔というのはその時の僕の顔でしょう。
「どうしたんですかじゃないよ。お前、明日お店やってんだろ?」
「はい、やってますけど・・・」
「明日、行くから」
「あ、はい。わかりました。・・・何時ぐらいなりますか?」
というような電話で、次の日の六時に三名様でおみえになるという事でした。
滝沢賢治。
皆さんはどのような印象をお持ちでしょう。
熱血教師でしょうか。
そうですね、熱血でした。
では、実際の山下真司さんはどうでしょう。
・・・実際の山下真司さんもまるで熱血です。
それは以前お話しましたように神社のうさぎ跳びのシーンでは裏で一緒にうさぎ跳びをしてくれたり、いつも率先してラグビーの練習、芝居のお稽古など僕らを引っ張ってくれました。
お金がなくご飯が食べられず芝居に力が入らなかった小沢さん(水原)を呼んでご飯ご馳走した話など去年テレビ番組の収録の時初めて知りました。
当時大映テレビのプロデューサーがよく言っていたのを覚えてます。
「山下真司は一所懸命の人間の役をやらせたら一級品だよ。きっと人間が一所懸命なんだろうな」
しかし、ライフスタイルは全く違います。
滝沢賢治が来ていたブレザーにネクタイ(教師という役だからでしょうか、金八先生もそうでしたが)などという格好はしていません。
身長も高くスタイルもいいですからそれまでの日本人がおおよそ似合わなかったものが山下さんには全て似合いました。
スクールウォーズの撮影が始まったばかりの頃レイバンのサングラスをして車から降りてきたレザーパンツをはいた山下さんは日本人離れして本当にカッコよかったです。
全く持ってお世辞ではありません。
それは山下さんを知っている人なら誰でも言うと思います。
実際、「太陽にほえろ」に出る前はアメリカにいたらしいですから。
スタジオの撮影の時は昼食はスタジオ近くの「すかいらーく」でとりました。
だいたい山下さんと松村さんと一緒でした。
山下さんは、お芝居の話からアメリカの映画界の話、ファッションの話などいろんな話をしてくれました。
ロバート・デ・ニーロからアクターズスタジオの話、山下さんから聞いてメソッド演技(アクティング)なるものを知り本も読みました。
その時に山下さんから聞いた話で今でも時々お客様と話したりする事があります。
山下さんはアロハが好きでかなりアロハを収集していたらしいです。
そのアロハの話。
いつもの「すかいらーく」で。
「日本製のアロハってすぐわかるんだよ。胸のポケットあるだろ。あのポケットの柄とシャツ本体の柄がぴたっと合ってるのが日本製。ハワイのやつなんかはそんなの気にしないから。日本人は生真面目だから合わせるんだよ。外国じゃ縦のストライプだってずれたりしてるからね。それを日本人はアロハの柄まで合わせるんだから・・・」
本当だ。
僕が夏に着ている水玉の白衣もポケットの柄、ぴたっと合ってる。
ポケットがついているのかわからないほど柄が合ってる。
今回、後編にしようかと思ってましたが長くなったので中編とします。
次回後編に続く。
滝沢賢治最高!
森田光男最高!!
う~っ、滝沢賢治にも会いたかったなあ。
素敵な三部作。後編も期待してます!
by いそっぷ (2011-08-23 19:12)
写真おもろ
by アスリートフット (2011-08-29 01:03)