経木、折、そしてかんぴょう [回想録]
「一束三十分」に頂いたコメントで僕も幼い頃のことを思いだしました。
やはり僕もお弁当を持っていく時に、折は上等なのでその時分はよく使っていた「経木」にかんぴょうを巻いたものや玉子を巻いたものを包んで持って行かされました。
「経木」はご存知、下の写真にありますように木を薄く削り取ったものです。
これに巻物を入れ、経木ひも、我々は結草(ゆわいそう)というこれまた木を薄く削ったひもでとめます。
そして「都寿司」の屋号入りの包み紙。
「経木」は今で言えば簡易包装ですから、そのようなもので包んだものを子供に持たせたら食べる時に包みを開けたときの中身は想像しただけでぞっとします。
ましてや中身の巻物、母親が巻いたものですから包む時点で十分な完成品とはいえてません。
当時は、経木に包まれたのり巻のお弁当、恥ずかしかったですが、今となっては昔夜遅くまで忙しく商売をして朝早くから巻いてくれたお弁当感謝します。
よく鮨屋の技術の目安の一つに、巻物の折を作らせると腕がわかるなんて事を言います。
皆さん、鮨屋というと「にぎり」というイメージが強いと思うのですが、「巻もの」のほうが難しいといっても言いと思います。
理想で言えば巻く芯のものがきちんと真ん中にきて巻けている事。
そしてよく切れる包丁で切り口をまっすぐに切る事。
切った巻物の高さが揃っていること。
もちろん、食べ物であるわけだから米を潰さず米と米の間に空気が入り、食べて美味しいこと。
よく巻けた巻物は切り口を見るとわかるといいます。
それをピシッと寸分狂わず折の中に詰めたものは見て美しいです。
折箱も時代とともに変りました。
現在うちはこのような折箱を使っております。
今はそのようなことはないようですが、ちょっと前に木の折の漂白剤のにおいが気になったことがあったもので。
同じ理由で経木も使っていません。
「経木」から「折」そして「かんぴょう」に考えが及ぶとどうしても思い出される方がいます。
その方は、もう亡くなってしまいましたが、おばあちゃん、親父、僕と三世代にわたって贔屓にして頂いた三軒茶屋の運送会社の社長のKさんです。
Kさんのお話は折をみましてまたゆっくりしたいと思います。
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注:シャレではありません
やっぱり大将ものり巻きの折をお弁当に持って行ってたんですね^^
お寿司屋さんの倅さんですもんね、そりゃ当然です。
日記読んで、きれいに詰められてた折から
わざわざアルミホイルに包み直してた事をちょっとだけ後悔しました・・・
でも恥ずかしかったんですよね(///~///)
そうそう、子供時代はお寿司屋さんに生まれたら毎日お寿司が食べられていいだろうなぁ~ってよく思ってました。
ぴょん吉カエルの、梅さんと友達のひろしはいいなぁ~って、本気で羨ましかったです。
きっと大将のクラスメイトも羨ましがってたんじゃないかな。
by mayu (2012-01-20 10:31)